「塩」は必要不可欠

 

塩は、生体における全生理機能を確実に増強するものです。その主だった役割には、次のようなものがあります。

消化器から分泌される各種消化液(特に胃液)の分泌を高める。それによって消化管の嬬動運動を促し、腸内での異常な発酵を抑える。

血管や心臓内壁に付着している不要物を溶かし、取り除く。そのため、血管やリンパ管の老化防止が図られる。

内臓全般の組織機能を活性化し、各臓器の生理機能と新陳代謝とをスムーズにする。

脳神経系の機能を活性化することで、精神活動を活発にする。

防腐、殺菌、解毒の効果を高めることで、血液が浄化され、自然治癒力を増進させる。

このような役割から、塩は単なる食品や調味料なのではなく、私たちの生命の営みに深く関与する「必需品」だということができます。特に免疫機能を高め、病気を治す働きや、健康状態を一定レベル以上に保ち、健康長寿をもたらす働きに関わりがある「還元力」を持った、生命エネルギー物質なのです。

しかし、こうした本来的作用を十分に発揮させるためには、生体ミネラル(金属元素)を豊富に含む「自然塩」でなければなりません。

ではなぜ、生体ミネラルを含む自然塩が、これほどまでに私たちの体の生理機能の根幹に深い関わり合いをもっているのでしょうか。それは、生命の進化と深い関わりがあるのです。

カスピ海ヨーグルトは体に有益か


ここで、ひと頃ブームとなった「カスピ海ヨーグルト」についてお伝えしておきたい事柄があります。

このヨーグルトは、ある日本の研究者が、グルジアの長寿村から持ち帰り、それをもとに作られたとされています。

しかし、グルジアにはたった今ご紹介した「マツォーニ」がありますが、カスピ海ヨーグルトとマツォーニは、色合いもニオイもまったく違う別物です。

グルジアにはカスピ海ヨーグルトのようなものは存在しません。それをあたかもグルジアの長寿食のように喧伝し、善男善女を編した責任は重大です。

私の共同研究者であり、親交の深いグルジア共和国実験形態学研究所長のセミョン・ダラキシビリ博士も、このカスピ海ヨーグルトのことを知り、似非物を日本で拡販した研究者への不信感をあらわにしています。

つまり、この「カスピ海ヨーグルト」は、長寿国グルジアとはまったく関係がなく、出自も正体も不明の食品であることを、ここに明記しておきます。

ところで、ヨーグルトという食品自体は、体にとってよいものかどうかと言えば、「牛乳よりは、はるかによい」ものです。

発酵作用を経ることで、カゼイン(牛乳タンパク)の有害性が薄められているからです。

しかし、日本においては、素材である牛乳の質が相当に悪い上に、自砂糖や人口甘味料、香料その他の有害物質が使われている点が問題です。

どうしても摂りたいのでしたら、「豆乳ヨーグルト」を利用するといいでしょう。

グルジア長寿者の秘密 マツォーニ

 

主食に玄米・雑穀、副食で野菜類などを摂れば、ガンを消すために必要な四つのポイントのうち、「細胞賦活」と「浄血」作用は高めることができます。

もう一つのポイントの「整腸」に関しては、発酵食品を摂って、腸の中の状態を健康に保つようにします。

ところで、近年、整腸といえばイメージされるのが乳酸菌を含むヨーグルト(発酵乳)です。

発酵乳は家畜の乳に乳酸菌を繁殖させたもので、地方や国によってさまざまなものがありますが、腸内細菌を整えて便秘を予防したり、健康に良いということで、日本の食卓にも広く浸透しました。

私が何十回も健康調査に出かけた世界有数の長寿国。旧ソビエト連邦グルジア共和国にも「マツォーニ」という発酵乳があり、これが長寿に一役買っています。

実はこのマツォーニをなんとか日本でも作れないかと思い、菌株を持ち帰り、挑戦したことがありました。

ところが牛乳の項でお伝えしたょうに、日本の牛乳は質が悪い。

マツォーニの菌株は非常に繊細だったため、抗生物質や公害物質だらけの日本の牛乳に負けてしまい、とうとう発酵させることはできませんでした。

やはり、食物にはその場所、その国の気候風上に適したすぐれたものが伝統として残り、健康食として伝えられていくものなのです。

肉食の人たちには緩下作用のある乳製品が必要でも、日本人には不要なのですから、ヨーグルトでなくても、別の発酵食品で腸の中をきれいにすればいいのです。

おかずは「季節の野菜L海草≒小魚≒発酵食品」を


主食を玄米・雑穀にすれば、それだけでも栄養的にバランスのとれた食事になりますから、副食(おかず)に関して、それほど神経質になる必要はありません。

あくまで主食を中心にして、おかずを食べすぎないように注意したいものです。

とはいえ、主食だけの食事でいいというわけではありません。副食には体質の偏りを正して、季節や風土など、そのときどきの環境条件に体を適応させるという役割があるからです。

副食の基本としては「季節の野菜」「海草」「小魚」「発酵食品」の四つを摂ることを考えましょう。

この基本にしたがって、自分の体質や季節、生活条件に応じて、変化のあるメニューを楽しみたいものです。

ここに、積極的に摂りたい食品をあげてみます。

●根菜「―ニンジン、ゴボウ、レンコン、ダイコンなど
●葉(茎)菜――ニラ、春菊、三つ葉、グリーンアスパラ、フキなど
●ネギ類――ネギ、タマネギ、ワケギ、アサツキ、エシャロットなど
●海草――ヒジキ、ワカメ、昆布、ノリ、青ノリ、モズクなど
●発酵食品――納豆、みそ、醤油、漬物など
●小魚貝――ジャコ、ホタルイカサクラエビシジミ、アサリなど

これらの食品はビタミン、ミネラルを補給し、体質の柔軟性を保ち、外界への適応能力を高めてくれます。

根菜はよく洗って、皮つきのまま使用します。葉菜、とくに青菜類には浄血作用のある葉緑素が含まれていますから、旬の新鮮なものを摂りましょう。

ネギ類は穀物成分の代謝に特に重要なビタミンBを含み、その活性度を高める作用をもっているので、積極的に摂ってほしい食品です。

海草はすぐれた浄血食品で、肝機能の強化にも役立ちます。毎日、何らかのかたちで摂りましょう。

食事のパターンを「穀・菜食」に変える

 

現在、日本人の食事は自米や自パン(ラーメンやうどんなど精白粉食品も同じ)を主食にし、副食(おかず)は肉類を中心にしています。そこにサラダやおひたし、和え物など付け合わせの野菜を加えたものが、 一般的な食事のパターンです。このような食事では、ガンが発生するのもやむを得ないでしょう。

人間は本来、穀・菜食性動物ですが、後に狩猟採集生活をするようになって、少しばかり肉食をするようになってきたのです。特に日本人が肉を積極的に摂るようになったのは戦後のことです。日本人の生理になじまないのも当然の話でしょう。ですから、白米・肉類が主軸の食事パターンをやめて、玄米を中心とした穀・菜食のパターンに変えることが絶対的に必要なことです。

ここでひとつ、興味深いお話を取り上げておきましょう。

二〇世紀初頭、第一次世界大戦時に海上を封鎖され、食糧が輸入できなくなったデンマークは、当時の食糧大臣であり、栄養学者でもあったヒントヘーデの指導のもと、牛、豚、鶏など国内の家畜をすべて処分しました。

彼は穀物や野菜など、家畜に与えるはずの食糧を、人間にまわそうとしたのです。家畜に餌を与えて、食肉にするためには、大量の穀類や野菜が必要です。たとえば、 一キロの肉を作るためには、少なくとも七~八キロの穀類が必要で、大変不経済であるということをヒントヘーデは知っていたのです。

デンマークは酪農国ですから、国民はこの政策に不満を抱いたことでしょう。しかし、この政策によって、デンマークでは病気が激減し、平均死亡率が大幅に減少するという歴史的な健康時代を迎えることになったのです。一方、デンマークとは逆の政策をとったのがドイツです。

栄養学者ルブナーは「穀物や野菜などの植物性食品を動物に与えて食肉と化し、それを食べて敵軍を蹴散らそう」と気勢を上げたものの、結果はその逆に。慢性疲労や病気が蔓延し、結果、ドイツは敗戦国となりました。

この歴史的教訓からみても、人間にとってほんとうに必要な食物は肉類などではなく、穀類と野菜類であることがわかります。まず、この点をしっかり覚えておいていただきたいと思います。

食品添加物大国。日本


日本人は加工する技術にすぐれた民族であると思います。そのため、バラエティーに富んださまざまな食品が市場に出まわり、その食品が劣化しないように合成保存料などを加え、「鮮度」を保ってきました。

おかげで、いつでもどこでも、同じような食品が手に入り、利用できるようになりました。

しかし、その代償は、とてつもなく大きく、「健康」という大切なものを手放すことになってしまったのです。

昭和30年代初頭、即席めん(袋めん)が登場しました。これがインスタント食品時代の幕開けであったと思います。短時間でできて手間要らず。そうした便利さが受けて、その後もインスタント・カレー、インスタント・コーヒーをはじめ、カップめん、 ハンバーグなどの加工食品、さらにはレトルト食品や冷凍食品がたくさん登場しました。

しかしこれらの食品の中には、着色料などの食品添加物がどっさり入っているものが多く、これが私たちの体の中に蓄積し、ガンを発生させることになってしまったのです。

たとえば、昭和三〇年代後半から工場で大量生産されるようになったハンバーグは、本来は挽肉を焼いた料理ですが、日本では、肉だけではなく、大豆タンパクや魚肉など、いろいろな材料を混ぜることが法律で許されています。

おまけに、そこには保存料のソルビン酸や素材がバラバラにならないようにくっつける結着剤のピロリン酸、ツヤ出し剤の他に、発色剤、香料、酸味料など、あらゆる添加物が加えられました。

あるものが多く、その後、使用が禁止されたものもありますが、現在も引き続き使用されているものも少なくありません。このような食品添加物満載の食品は、その種類を問わず極力避けなければなりません。

ガンは「血液の汚れ」によって発生する病氣ですが、それ以外にも次のような因子も関与すると考えられます。

それは、化学的因子(合成化学物質)、物理的因子(放射線)、生物学的因子(ウィルス)などです。このうち化学的因子である合成化学物質は、私たちの生活をすっかり包円してしまっています。

農業では農薬や化学肥料、畜産では抗生物質ホルモン剤、そして、加工食品には食品添加物、それ以外にも殺虫剤など、その種類は数え切れないほどです。

これらの中には毒性がはっきり証明されているものもあれば、よくわからないまま使用されているもらもたくさんあります。

それら多数の相乗作用(複合汚染)となると、どんなことにな七年に日本でも刊行され、「環境ホルモン」の存在を広く知らしめることになった『奪われし未来』(シーア・コルボーン他著、翔泳社)を読んでいただくと、ごく微量の合成化学物質が、ガンだけではなく、アザラシやイルカの大量死をはじめ、人間の精子を減少させるというように、生物全体の生殖機能を脅かしているという事実に愕然とします。

もはや、合成化学物質をなくすということはできないかもしれませんが、少なくとも、体の中に入れることだけは極力避けたいものです。

「三白」を食卓なら追放せよ

「ガンを作る食品」の分類とは異なりますが、動物性タンパク質の「肉」「卵」「牛乳」とともに「三自の害」と呼んでいる食品があります。

その一つが、先述した「白米」で、あとの二つは「白砂糖」と真っ白い合成化学物質、つまり「化学調味料」または「化学塩」です。この二つについてご説明しておきます。

「白砂糖」は素材であるサトウキビやサトウダイコンの絞り汁を極限的に精製した、ほとんど人工物というべきシロモノで、糖分以外の栄養分を何も含まない食品です。

これが怖い食品で、体の組織細胞を弛緩させる働きを持っています。そして、体内のいろいろな臓器や組織、それも骨や歯などの硬い組織さえも、どんどん蚕食していくのです。

ストレスだらけで常に心身が緊張状態にある現代人が、必要以上に甘いものを欲しがるのは、自分を弛緩させたいからかもしれません。

しかし、甘いもの(白砂糖)好きの方はいつも胃腸の調子が悪く、疲れやすく、風邪をひきやすいのです。その原因は、体組織が緩んでしまっているからです。

このように、自砂糖は人間の体をひ弱にし、後でお話しする「自然治癒力」を弱めてしまい、ガンになりやすい体質を造る食品なのです。

ですから、自砂糖をたっぶり使っているケーキやアイスクリーム、チョコレートなどの菓子類、一巾販の総菜などは避けるべきです。

J・Eバッカー博士は「自砂糖の消費」と「ガンの発生率」とのあいだには相関関係があり、自砂糖の消費量が増えるとガン患者も増えるという研究結果を発表しています。

実際、私のクリニックの患者さんたちも、甘いものを好んで摂っていた人が多いのです。肉の摂りすぎは明らかに発ガンの条件ですが、もう一つ「白砂糖の摂りすぎ」も発ガンの条件としてあげておかなければなりません。

最後の「自」食品は、「化学塩および化学調味料」です。

塩は本来、人間の体にとっては必要不可欠な食品ですが、それが化学的に合成された塩となると、話はまったく変わってきます。

現在、広く使われている化学塩は、「塩」というよりは、塩化ナトリウム九九・九パーセントのイオン化合物であり、合成化学物質です。

人の手によって作り出された化学物質は、大なり小なり人間の体に悪い影響を与えます。ですから、化学塩ではなく、自然塩を使っていただきたいのです(塩については次章で詳しくお話をします)。

化学塩とは異なりますが、化学調味料に関しても同じことが言えます

妊娠中に化学調味料を多食した女性から生まれた子に、脳障害などの異常がみられたということが話題になったこともあるように、化学的に合成されている調味料も、体に悪影響を及ぼす発ガン物質であることは間違いありません。

牛乳はガン・アレルギー体質をつくる


牛乳はタンパク質やカルシウムを含み、完全栄養食品の代名詞にもなっています。その一方で「ほんとうに飲んでも大丈夫なのか?」という議論が常に俎上にのっています。

賢い読者の皆さんは、もうおわかりだと思いますが、牛乳は肉や卵同様、摂ってはいけない食品です。それは、肉や卵と同じ、動物性タンパク食品だからです。人間の消化管ではスムーズに処理されない食品であり、いろいろな毒素を発生させて血液を汚します。とくに牛乳のタンパク質「カゼイン」は粒子が小さいため、腸の機能が弱っているときは、腸壁を素通りして血液の中に入っていきます。人間の体のタンパク質とは異なるカゼインが直接に人体組織に触れることによって、人間の体にはアレルギー反応が起こります。

現在、日本ではアレルギー疾患がものすごい勢いで増えています。これは、卵や牛乳の摂りすぎが原因と考えられます。子どものアレルギー体質や、そのための小児ぜんそく、慢性湿疹などはほとんどがそうでしょう。

アレルギー体質は、イコール「ガン体質」です。ガンはアレルギー症状が進んだものと考えてさしつかえありません。

フランスのヴォーザン博士の研究によると、牛乳には無機の銅が少ないので、血液中の酵素のカタラーゼの活性を減少させることが明らかになっています

人間の体内で起きるさまざまな物質代謝の過程で生じる過酸化水素は、そのまま放っておくと細胞の核タンパクと結びついて、病的なウィルスを形成します。そうならないように無害な水と酸素に分解してくれるのがカタラーゼです。カタラーゼの活性が弱まってしまうと、体内で過酸化水素が過剰になり、ウィルスが生まれ、細胞が傷つけられて炎症が起こりやすくなり、ガン腫が作られやすくなります。実際、ガンの患者さんたちは例外なく、血液のカタラーゼの活性が低下しています。

腸の中で毒素を作って血液を汚し、血液中に異種タンパクを流し込んでアレルギー体質を生み、カタラーゼの活性を低下させてガン腫を作る牛乳は、どこからどう考えても発ガン食品であり、有害食品です

もともと日本人に牛乳を飲む習慣はなく、なくてもよい食品だったはずです。牛乳を飲むのは肉食の欧米人の習慣ですc肉食によって起こる便秘を、牛乳を飲むことで防止してきたのです。牛乳には「乳糖」という糖類が含まれていますが、これを消化吸収するためには「ラクターゼ」という分解酵素が必要です。乳児期には腸の中に十分存在しているラクターゼも、乳離れとともに自然消滅します。

日本人の大人はもちろん、子どもたちもこのラクターゼを持っていないため、牛乳の中乳糖は消化されないまま腸内細菌の作用を受け、異常発酵を起こします。そのため、牛乳を飲むと下痢をするという人が大勢いるのです。そもそも日本人の腸は牛乳を飲むようにはできていないのです。

さらに言うなら、「卵」同様、日本で市販されている牛乳の質は非常に悪いものです。

高温多湿の日本の国上ではよい牧草が育ちません。日本の乳牛は軟弱で、病気にかかりやすく、そのため、抗生物質などを大量に与えているのです。加えて、お乳がよく出るように、ホルモン剤を注射して、少しでも多くの牛乳を搾り取ろうとしている業者もいます。農薬に汚染された草を食み、抗生物質の入った人工飼料を与えられる……。

これが日本の乳牛です。そんな牛が分泌した牛乳は、発ガン食品以外の何ものでもありません。

赤ちゃんは母親の乳房から直接乳を吸って育ちます。母乳を鍋に入れて沸かしてから赤ちゃんに飲ませると、赤ちゃんは育ちません。それは、加熱することによって、人体に有益な乳酸菌が死んでしまうからです。

市販のビン詰めやパック入りの牛乳は、必ず殺菌しています。ですから乳酸菌がいませんし、栄養成分も変質していますcこんな牛乳では人間て現にそういう研究データもあります。

牛乳は母牛が子牛を育てるために出しているものです。ですから子牛にとっては完全栄養食品ですが、人間にとっては同じ栄養効果があるわけではありません

そのうえ、子牛さえ育てられないような状態に殺菌加工されている市販の牛乳は、これはもう本来の牛乳とは別物と考えたほうがいいでしょう。

高コレステロール食品「卵」は発ガン食品


卵を固ゆでにするか、半熟にするか?

これは好みの問題だと思いますが、「固ゆでだと消化が悪い」とか、「半熟のほうが消化されやすい一といった議論をよく耳にします。

しかし、いずれのゆで方であっても、そもそも卵は消化されにくいのですから、こような議論に意味はありません。

卵は栄養食品の代表のように言われています。

「一日に必ず一個は食べる」という人や、疲れているときに生卵を飲む人さえいます。

卵がかえればニワトリになり、 一つの新しい生命が誕生するわけですから、その生命のもとになる栄養分がすべて含まれていると考えられているのでしょうか?

しかし、卵は人間の体にとっては有益ではなく、むしろ有害な食品なのです。

その第一の理由は、肉同様、卵のタンパク質も腸の中でスムーズに処理されないからです。卵のタンパク質は胃腸に負担をかけるばかりでなく、弱った腸壁をすり抜けて血液の中に入りやすく、それによってガンやアレルギー体質を作りだすのです。

そもそも卵は、コレステロールをたくさん含む食品です。また、消化酵素の一つ、トリプシンの働きを阻害する作用があり、さらにはビタミンの欠乏を引き起こすビオチンという物質も入っています。生卵を飲むとスタミナがついたような気になるのは、卵に

含まれるレシチンやリン酸やコリンが細胞を興奮させる作用があるからで、ほんとうに強精効果があるわけではありません。そもそも、 一般に市販されている卵は「無精卵」で、メンドリが単独で産む卵ですから、いくら温めても孵化することはなく、腐るばかりです。

このように生命の源とはいえない、いわば死んでいる卵に、私たちの体への効果が期待できるでしょうか?

それならば「有精卵」ならばいいのかという話になりますが、卵が消化されにくく、腸内で腐敗しやすいことに変わりはありません。

卵が体にいいか悪いかを考える上で大いに問題にしなければならないことに、人工的なニワトリの飼育方法があります。

ニフトリたちの体力を消耗させないように、狭い鶏舎にぎっしリニフトリをつめこみ、不自然な人工飼料を餌として与え、昼夜の識別ができないように窓をなくし、太陽の光にも当てず、夜間も人工照明をつけるというように、ただただ産卵率を高めるための飼育法がとられているのが現代の養鶏場です

こんな不自然な飼育法のせいで、 ニフトリの中にも、ガン(自血病)やその他の病気にかかっている不健康なニフトリがたくさんいるのです。そんなニワトリの産む卵を、皆さんは食べたいと思われますか?

また、餌として与えられる人工飼料にも、抗生物質や合成ホルモンが入れられていて、それが卵の中に出てきています。こういった合成物質はみな、多かれ少なかれ発ガン物質なのです。

このようなことを考え合わせると、卵は人工的に作られた発ガン食品であり、人間の健康に寄与する食品であるとは言えません。むしろ、避けるべき食品なのです。

肉食過多は肉体と精神の両方をむしばむ


こんな興味深い実験もあります。

インド国立栄養研究所所長だったマッカリソン博士は、ネズミに異なった餌を与え、それぞれの健康状態を調査しました。

一〇〇〇匹ずつ三つのグループに分け、それぞれのグループに別の餌を与え、飼育したのです。

一つ目のグループは、長寿地域の食生活を模して、穀類と野菜を与えます。

二つ目のグループには、インドの一般的な食事、すなわち穀類、肉、香辛料を与えます。
そして、三つ目のグループには、西洋食(肉、バター、チーズ、自砂糖)を与えました。

さて二年七カ月(人間の年齢で六〇歳ぐらいに相当)経過後、ネズミを解剖して、健康状態を調べました。

その結果、穀類と野菜を与えた長寿食のグループは、 一匹の例外もなく、健康な状態でした。

それに対し、二番目のインド食グループでは、胃腸障害、貧血、肝炎、腎炎、脱毛などが起こっていました。

そして、二番目の西洋食グループは、病気が頻発しているばかりでなく、何十匹かがいなくなっていたのです。最初は「どこかに逃げたのか?」と思われたのですが、残りのネズミの腸の内容物から、ネズミを食していたことが判明したのでした。

つまり、このグループのネズミは、たっぷり高タンパク質の餌を与えられていたにもかかわらず、共食いをしていたということなのです。

この結果は、食物が肉体と精神の健康をいかに左右するかということを端的にあらわしていると思います。

一般的に「粗食」と思われている穀・菜食が健康食であり、また、タンパク質の供給源とされている肉や乳製品が、実は精神と肉体に病気をもたらす不健康食であったということなのです。

肉食がどんな結果をもたらすかという生き証人は、欧米の先進国の人々です。

彼らの多くが肉食過多のために、ガンをはじめ、血管、心臓病やアレルギー性の疾患、精神病など、いわゆる「文明病」に悩まされています。戦後、日本でも食生活の欧米化にともなって、これらの国々と同じような病気が激増しています。

先にも指摘したように、もともと穀・菜食、そして魚食民族である日本人に、肉食はなじみません。

ですから、肉食によって受けるダメージは欧米の人々よりもはるかに大きいのです。戦前はほとんどみられなかったガン、脳疾患、精神病などが急速に増えているのはそのせいです。昨今、突然「キレる」といわれる子どもたちにしても、生まれたときから欧米化された食事をしている世代です。

肉食をやめるだけでも、日本人の健康状態はかなり改善されるはずです。

「肉」はスタミナ食ではない


「肉は美味しいし、食べた後はパワーが出る」と考える肉好きの方も多いのではないでしょうか。

しかし、これは錯覚にすぎません。この考え方は、「肉のタンパク質が、そのまま私たち人間の体のタンパク源になる」という誤った認識から導かれたものです。

こんな有名な実験結果があります。

動物に高タンパク質の食品を与え、その動物がタンパク質の成分の一つである窒素をどれだけ排出するかを計測します。

その食品にもともと含まれていた窒素の量と、排せつされた窒素の量との差は、体内に蓄積された窒素の量と考えて、その動物の体をくまなく調べます。

しかし、窒素が体内に吸収・貯蔵された形跡はまったくみられず、排せつされた量が多かったのです。これを「窒素の雲隠れ現象といいます。

つまり、高タンパク食品が、そのまま人間の体に吸収され、体を造っているわけではないということです。

これと同じ実験を、人間で行った研究者もいます。フランスのケルブラン博士です。

彼の研究でも、体内に入った動物性タンパク質が、そのまま体のタンパク質として役立っているとは言い難い結果が出たのです。

実は、タンパク質は消化管の中で、炭水化物に還元されてから利用されるものですが、この還元する作業が、本来、穀物

菜食動物である人間の体の中ではスムーズに進みません。

むしろ、胃腸に負担をかけ、血液は酸毒化します。そうなれば、内臓をはじめ、他の器官の働きも弱まります

このように体にとってデメリットしかない肉など、はじめから食べないほうがよいではありませんか。

深刻な「肉」の発ガン性


「肉」「牛乳」「卵」の動物性タンパク質は、現代栄養学では良質のタンパク源となる摂るべき食品として推奨されてきました。

しかし、動物性タンパク質、とくに肉類は体にガンを招く恐ろしい発ガン食品の筆頭なのです。

肉を摂ると、食べた肉が腸の中で腐敗して、発ガン物質を発生させてしまうのです。

人間の腸の中には、だいたい一〇〇種類、 一〇〇兆個以上の腸内細菌が存在しています。肉類を食べると、この中のウェルシュ菌が増えます。

ウェルシュ菌は、人体に悪影響を及ぼす悪玉菌の一種で、肉に含まれるアミノ酸を分解して、アミン、スカトールアンモニア硫化水素などの毒素を発生させてしまいます。

これらの毒素は腸壁から吸収されて血流に乗り、全身に様々な悪影響を及ほします

中でもアミンは、胃腸内で亜硝酸と結びついて強力な発ガン物質「ニトロソアミン」を作るのです。

長い年月、牧畜を営み、肉食を続けてきた西洋の人たちは、こうした弊害をおさえるために、肉食に適応して腸が短くなっています。

しかし、穀物・菜食に適応し、腸が長くなっている日本人は、腐敗した肉が腸の中に長時間とどまるために、肉食の害はさらに深刻です。

近年、大腸ガンが増えているのは、肉食化した日本人の、当然の結果といえるでしょう

明治維新以降、日本は「西洋の先進国に追いつけ追い越せ」を合言葉に近代化を推し進めてきました。

しかし、そこで、日本古来の伝統的な文化や生活習慣が捨て去られてしまったことは大変残念なことです。

もともと肉食ではなかった日本人が、どうしてここまで肉を食べるようになったのかという理由は後述しますが、何でもかんでも西洋のほうが進んでいると考えるのはおかしいと思います。

腐(くさる)とという字の中には、「肉」という字が含まれています。

「腐」という字はもともと五臓六腑の「腑」から生まれたものです。五臓の「臓」とは、肝臓や腎臓のように、内部に細胞がぎっしりつまっている器官のことを言います。

一方の六腑の「腑」は、臓器の内部が空洞状態になっている器官のことをさします。そして、その代表は「腸」です。

ですから「腸」である「腑」に「肉」が入った状態が、「腐る」というわけです。

つまり、この「腐る」という漢字の成り立ちから見ても、東洋では、古来から経験的に肉と腸の関係を知っていたということが言えるのではないでしょうか。

避けるべき三大食品は 肉 牛乳 卵


ガンを作る食物群の中でも、最も避けるべきは、動物性タンパク質の「肉」「牛乳」「卵」です。この三つは、腸の中に腐敗菌などの有害な細菌を繁殖させてしまいます。有害な細菌が繁殖すれば、さまざまな毒素が発生し、それが血液の中に取り込まれ、体中をかけめぐり、ガンや他の病気も発生させることになります。

人間はもともと穀物や野菜などを食べる動物です。そのため、腸はこれらの動物性タンパク質をスムーズに処理するようにはできていません。

しかも、これらの食品には繊維質がないため、とくに腸の中に停滞しやすく腐りやすいので、その結果強烈な毒素を生み出してしまうのです。

とあるクリニックでは、診察時に血液の性状、内臓機能の検査をしていますが、それにより、「血液―内臓―食生活」の相関関係がハッキリと数値としてあらわれます。

「肉」「牛乳」「卵」を多食している患者さんの血液はドス黒く、血中のコレステロールの量も多く、血糖値も高くなっています。血液には異常な粘り気があり、とても汚れています。

こんな状態では、体組織への酸素の補給も満足には行えず、心臓、腎臓、血管などによけいな負担をかけ、当然、それらの機能も低下しています。

ですから、逆にいえば、血液をみれば、その人の食生活のパターンがおおよそ推測できてしまうのです。

ガンを発生させる食物群


人が生きていくためには食物による栄養補給が欠かせませんが、健康に生きるためには口にする食物を慎重に選ぶ必要があります。

それは「食物は血となり、血は肉となる」からです。

現代栄養学の「常識」に惑わされることなく、まずはガンの原因となる食物を回に入れないことが肝要です。

ここでは、ガンを発生させる食物、つまり、食べてはいけない食物について解説していきます。

はじめに、ガンを作る食物を列挙してみましょう。

●動物性タンパク食品――肉、牛乳、卵と、これらの加工品(ハンバーグ、ハム、チーズなど)
●精白食品――白米、白バン、精白小麦粉製品(ラーメン、うどん、パスタ、ピザ、スナック菓子など)
化学調味料類――化学塩、化学調味料、だし類など
●白砂糖食品――白砂糖、チョコレート、アイスクリーム、ケーキ類、市販のお菓子
食品添加物入り加工食品――結着剤。人工甘味料入りのかまぼこ。はんぺん類、俣存料入りのみそや醤油、人工着色料で色づけしたタラコやタクワンなど
●動物性脂肪――バター、ラード
●不自然な植物性脂肪――マーガリン、化学的抽出剤使用の植物油
●油の酸化が気になる食品――市販の天ぷら、フライ類、ポテトチップス、その他揚げ菓子類
●大魚の部分食――刺身、切り身

ここに挙げている食品は、腸の中で腐敗を起こしやすく、ガンの原因になる食品です。

これらの食品を避け、腸内細菌の性状を健康に保つことが、ガンにならない、そして、ガンを消すための第一歩です。

栄養学に基づかないがん治療


だれの人生も一度しかありません。やりなおしはできません。あなたの人生に責任をもてる人は、あなただけです。あなたが、あなたの健康と人生について責任のもてる意思決定をするには、十分な知識が必要です。

国のいうとおりにしていれば、健康でいられると思ったら人間違いです。厚生労働省は業によって病気を予防したり、治療したりする政策を推奨してきました.いまもそうです。その結果、製薬業界をもうけさせ、繁栄させてきました.その功績によって厚生官僚は、やがて製薬会社やその周辺団体に天下りします。よいとか悪いとかいっているのではありませんのこれが世の中のしくみなのです。

あなたは、がんの知識や治療法を専門家である医者に頼るかもしれませんcしかし、医者はあなたに代替療法があることを知らせる義務はありません。たとえ、代替療法が三人療法より効果的で、副作用がなく、より安価であったとしてもです

なぜかというと、医者は医学部で代替療法の教育を受けていないこと、医者がひんぱんに日にする医学雑誌に論文として掲載されていないからです。

毎日、患者と接している医者は′陀しいため、医学雑誌にしか目を通しません。医者が医学雑誌を読んで、ごくまれにですが、治療法を変えることがありますっいくつかの二重盲検試験による臨床試験が行われ、人体に対し治療効果があることが証明されたときです。これは、「証拠にもとづいた医療Jと呼ばれるものです。

『サイエンス』『ネイチャー』『セル』『PNA創などの一流の科学雑誌には、がん細胞やマウスを用いたがん予防やがん治療に役立ちそうな論文がたくさん掲載されています。

しかし、毎日、がん患者と接している医者からみれば、研究室で行われているがん細胞やマウスを用いた基礎実験は、ヒトには役立たないものでしょう。マウスとヒトは違うというのは本当のことです。臨床試験によるヒトヘの効果が確かめられなければ証拠にならないというのは事実です。そういうわけで医者は、科学雑誌を読みません。医者は、研究室で発見された膨大な研究成果を知る機会がありません。もう1つ問題があります。

西洋医学は、医学部教授たちのなかのエリートの作成したガイドラインにしたがって行われます。彼らは血圧やコレステロールの基準値ばかりか、がんの治療法も決めているのです。

でもエリートは、栄養療法、精神身体医学、精神神経免疫学の分野の文献を読むことはありません。

経済的な力があまりに大きいために、この状態をすぐに変えることはできません。とりわけ、製薬業界から医学部や政府に流れる巨額のカネの影響が強いのです。

世界における製薬業界の売り上げは年間約50兆円で、そのうちの20パーセントにあたる10ソL円が利益です。これほど高い利益率を誇る業界はほかにありません。製薬業界は、俗にいう、「濡れ手に栗」のビジネスなのです。