免疫力の低下がガンを生む


毎日5000個のガン細胞の芽が生まれているのに、死ぬまで一度もガンにならない人が2人に1人はいます。

それは、ガンが生じるイニシエーション、ガン細胞の芽がガンに育つプロモーションを抑える仕組みが体内に備わっているからです。

そのひとつの重要な仕組みが、「免疫」です。

免疫のもともとの意味は、「疫病から免れる」ということです。疫病とは、悪性の伝染病を指します。

天然痘チフスといつた流行性の感染症と人類は古くから闘ってきましたが、こうした感染症には、 一度罹ると二度と罹らないものがあることが知られていました。

紀元前430年には古代ギリシャの歴史家トゥキデイデスが、「以前病気に罹った者は二度罹らない」という記述を残しています。

この仕組みを利用した天然痘のワクチンを世界で初めて開発したのが、イギリスの有名な医学者エドワード・ジエンナーです(ワクチンとは、免疫を得るために毒性を弱めた病原体などを用いる医薬品のこと)。

ジエンナーは、天然痘に似た牛の感染症「牛痘」に罹った人は、天然痘に罹らないか、罹っても軽症で済むことに注目。牛痘の病原菌の毒性を弱くしたものを注射する「種痘法」を開発しました.

このように免疫は「一度罹った疫病から免れる」という意味ですが、現代ではより広い意味で使われています。

人体には、疫病のみならず、ガンのように体内で生じた異物を安全に処理するシステムがあるとわかったからです。

免疫をあらためて現代的に定義し直すとすると、「病原体や毒素などの侵入物、体内で生じたガンなどの異物を排除して、生存に不利な外敵から自らを守ろうとする仕組み」ということになります。

免疫はガンに対しても働いてくれます.ガンが発生する背景には、免疫が正しく働いていないという事実があるのです。

免疫が正常に機能していれば、ガンの芽はガンに育つ前に抑えられます

そういう視点に立つと、ガンの芽がガンになるには、①イニシエーション、②プロモーション、①免疫力の低下――という3つの条件があると私は考えます。

そして、この3大条件をすべてリセットしてくれるのが、野菜や果物のように日常的に摂取できる食べ物に含まれる「ファイトケミカル」なのです。