深刻な「肉」の発ガン性


「肉」「牛乳」「卵」の動物性タンパク質は、現代栄養学では良質のタンパク源となる摂るべき食品として推奨されてきました。

しかし、動物性タンパク質、とくに肉類は体にガンを招く恐ろしい発ガン食品の筆頭なのです。

肉を摂ると、食べた肉が腸の中で腐敗して、発ガン物質を発生させてしまうのです。

人間の腸の中には、だいたい一〇〇種類、 一〇〇兆個以上の腸内細菌が存在しています。肉類を食べると、この中のウェルシュ菌が増えます。

ウェルシュ菌は、人体に悪影響を及ぼす悪玉菌の一種で、肉に含まれるアミノ酸を分解して、アミン、スカトールアンモニア硫化水素などの毒素を発生させてしまいます。

これらの毒素は腸壁から吸収されて血流に乗り、全身に様々な悪影響を及ほします

中でもアミンは、胃腸内で亜硝酸と結びついて強力な発ガン物質「ニトロソアミン」を作るのです。

長い年月、牧畜を営み、肉食を続けてきた西洋の人たちは、こうした弊害をおさえるために、肉食に適応して腸が短くなっています。

しかし、穀物・菜食に適応し、腸が長くなっている日本人は、腐敗した肉が腸の中に長時間とどまるために、肉食の害はさらに深刻です。

近年、大腸ガンが増えているのは、肉食化した日本人の、当然の結果といえるでしょう

明治維新以降、日本は「西洋の先進国に追いつけ追い越せ」を合言葉に近代化を推し進めてきました。

しかし、そこで、日本古来の伝統的な文化や生活習慣が捨て去られてしまったことは大変残念なことです。

もともと肉食ではなかった日本人が、どうしてここまで肉を食べるようになったのかという理由は後述しますが、何でもかんでも西洋のほうが進んでいると考えるのはおかしいと思います。

腐(くさる)とという字の中には、「肉」という字が含まれています。

「腐」という字はもともと五臓六腑の「腑」から生まれたものです。五臓の「臓」とは、肝臓や腎臓のように、内部に細胞がぎっしりつまっている器官のことを言います。

一方の六腑の「腑」は、臓器の内部が空洞状態になっている器官のことをさします。そして、その代表は「腸」です。

ですから「腸」である「腑」に「肉」が入った状態が、「腐る」というわけです。

つまり、この「腐る」という漢字の成り立ちから見ても、東洋では、古来から経験的に肉と腸の関係を知っていたということが言えるのではないでしょうか。