「肉」はスタミナ食ではない


「肉は美味しいし、食べた後はパワーが出る」と考える肉好きの方も多いのではないでしょうか。

しかし、これは錯覚にすぎません。この考え方は、「肉のタンパク質が、そのまま私たち人間の体のタンパク源になる」という誤った認識から導かれたものです。

こんな有名な実験結果があります。

動物に高タンパク質の食品を与え、その動物がタンパク質の成分の一つである窒素をどれだけ排出するかを計測します。

その食品にもともと含まれていた窒素の量と、排せつされた窒素の量との差は、体内に蓄積された窒素の量と考えて、その動物の体をくまなく調べます。

しかし、窒素が体内に吸収・貯蔵された形跡はまったくみられず、排せつされた量が多かったのです。これを「窒素の雲隠れ現象といいます。

つまり、高タンパク食品が、そのまま人間の体に吸収され、体を造っているわけではないということです。

これと同じ実験を、人間で行った研究者もいます。フランスのケルブラン博士です。

彼の研究でも、体内に入った動物性タンパク質が、そのまま体のタンパク質として役立っているとは言い難い結果が出たのです。

実は、タンパク質は消化管の中で、炭水化物に還元されてから利用されるものですが、この還元する作業が、本来、穀物

菜食動物である人間の体の中ではスムーズに進みません。

むしろ、胃腸に負担をかけ、血液は酸毒化します。そうなれば、内臓をはじめ、他の器官の働きも弱まります

このように体にとってデメリットしかない肉など、はじめから食べないほうがよいではありませんか。