カスピ海ヨーグルトは体に有益か


ここで、ひと頃ブームとなった「カスピ海ヨーグルト」についてお伝えしておきたい事柄があります。

このヨーグルトは、ある日本の研究者が、グルジアの長寿村から持ち帰り、それをもとに作られたとされています。

しかし、グルジアにはたった今ご紹介した「マツォーニ」がありますが、カスピ海ヨーグルトとマツォーニは、色合いもニオイもまったく違う別物です。

グルジアにはカスピ海ヨーグルトのようなものは存在しません。それをあたかもグルジアの長寿食のように喧伝し、善男善女を編した責任は重大です。

私の共同研究者であり、親交の深いグルジア共和国実験形態学研究所長のセミョン・ダラキシビリ博士も、このカスピ海ヨーグルトのことを知り、似非物を日本で拡販した研究者への不信感をあらわにしています。

つまり、この「カスピ海ヨーグルト」は、長寿国グルジアとはまったく関係がなく、出自も正体も不明の食品であることを、ここに明記しておきます。

ところで、ヨーグルトという食品自体は、体にとってよいものかどうかと言えば、「牛乳よりは、はるかによい」ものです。

発酵作用を経ることで、カゼイン(牛乳タンパク)の有害性が薄められているからです。

しかし、日本においては、素材である牛乳の質が相当に悪い上に、自砂糖や人口甘味料、香料その他の有害物質が使われている点が問題です。

どうしても摂りたいのでしたら、「豆乳ヨーグルト」を利用するといいでしょう。