夕食は就寝三時間前までに終える


ここで、 一日を通しての「食事のしかた」を確認しておきましょう。

まず、朝食は、軽めが原則です。もともと日本人は二食だったものが、戦国時代以降、三食に増えたようです。朝は体を目覚めさせ、副交感神経から活動するための交感神経にスイッチを切り替えるよう、ごく軽く食べる程度でよいでしょう。午前中は排せつタイムであり、体から余分なものを出し切る時間帯です。腸の嬬動運動を起こし、排せつをスムーズにする必要もありますから、水分は適量をとりましょう。

昼も軽めにすませるのが、おすすめです。お勤めの方でしたら、弁当を持参していかれるとよいでしょう。外食は肉類が多く、どんな食材を使っているかも確認できません。玄米・雑穀を食べるのも難しいでしょうから、どうしても外食になる場合は、日本そばが無難です。冬は根菜類がたくさん入った温かい「けんちんそば」、夏は薬味をたっぶり添えた「ざるそば」などもいいでしょう。

夕食は、玄米・雑穀ごはんに「季節の野菜」「海草」「小魚」のおかず、そして、発酵食の「みそ汁」を忘れずに

軽く一杯ぐらいの晩酌もいいでしょう。夕食は自然医食のルールにのっとっていれば、それほど神経質になる必要はありません。

ただし、就寝の三時間前までには終わらせるように気をつけてください。

胃の中のものが消化されるためには、最低でも三時間ぐらいはどうしても必要です

本人にその意識はなくても、寝る直前に食事をしたのでは、胃腸をはじめ、体が食べ物を消化しようと必死になって動いていますから、体は休んだことにならず、眠りはどうしても浅くなってしまいます。

一夜、寝るということは、脳を体ませるためだと思われているようですが、実はそれだけではありません。体の中で、消費された消化液の補充や、体にとって必要なものと不要なものの「仕分け」が行われており、必要なものは腸から取り込まれ、そうでないものは翌日の朝、排出されます。つまり、睡眠は、消化・補完作業や仕分け作業の時間であり、それに集中するために、脳を休ませているのにすぎないのです。

ですから、極端なことを言うと、食事をしなければ、寝る必要はないのです。「寝食を忘れる」という言葉がありますが、あれは、「食べなければ寝る必要はない」という意味も含まれているのではないかと思っています。

いずれにせよ、食べてからすぐ寝るというのでは、せっかくの食事も未消化に終わり、体のために有効に活用されません。現代人の夕食の時間はどんどん遅くなっており、食べてすぐ寝るという方、あるいはおなかがいっぱいでないと寝られないという方もいますが、これは悪しき習慣であり、ぜひ改めて欲しいものです。