癌には減塩、多水より適塩、適水がよい
塩分は体によって必要不可欠な存在
疲れたときに食べるもの――多くの人は甘いもの、チョコレートなどを思い浮かべるのではないでしょうか。糖分補給を行えば、やる気が再び出てくるものです。
しかし、人間が本当に疲れ切ったとき、欲するものは塩分なのです。自然医食療法の考えかたでは、塩は、からだの生理機能を強めるためには、なくてはならないものとしています。
塩には、主として次のような働きがあります。
■消化液の分泌を促進
特に胃液の分泌を高め、腸のぜん動運動を活発にします。その結果、腸内の細菌叢が健全に向かいますっ
■血管。リンパ管の老化防止
血管や心臓の内壁にある不要物をとり除いて、柔軟性を高めます。
■内臓の組織機能を活性化
各器官の生理機能や新陳代謝がよリスムーズになります。この結果、基礎体力や抵抗力がつきます。
■脳神経系の機能を活性化
精神活動を活発にします。頭の回転も早まり、行動的になります。
■自然治癒力の増強
腐敗の防止、殺菌や解毒の作用があります。そのため血液がきれいになり、からだの細胞も若返ります。
●自然医食療法では1日15グラムの塩分をとる
塩分は、常識的な食事をしていれば取りすぎるということがありません
仮に必要とする以上の塩分が体内に入っても、自然にのどが渇き、水分をとりたくなるはずです。
これは、からだが余分な塩分を排出しようと調節しているのです。
逆に塩分は、からだのなかではつくることができません。ですから、必要量をとらないでいると不足してしまうのです。ほどよい加減の塩分を補給するようにしてください。
厚生労働省では、男性は8g未満、女性は7g未満を1日の摂取量の目標値としています(日本人の食事摂取基準)。
また、日本高血圧学会では、6g未満としています(高血圧治療ガイドライン/2009年版)。
これに対して、例えば自然医食療法では、塩分は15g程度はとるようにすすめています。
そして、大切なのは、より質のよい自然塩をとることです。 一般的に使われている精製塩や食卓塩は塩化ナトリウムに近い化学塩ですので避けてください。
最もよいのは、岩塩です。
●水は良質なものを取る
水も、生命活動を維持するうえでは必要不可欠なものです。どのくらいの景が必要かというのは、 一概にはいえません
なぜなら、体内で停滞している水分も、水の物理的特性に従うからです.
たとえば気温が0℃のときは、休内の水分も0℃になろうとするので、低体温になります。当然、体温が下がれば、病気の悪化を招きます。
理想は「適水」です。とりすぎには注意してください。
また、水道水はからだによくありません。消毒用に使われる塩素が体内で酸化作用を媒介しているヨードを追い出してしまうからです。
さらに、塩素が体内に残ると、甲状腺障害を引き起こす危険性もあります
最もよいのは純粋な天然水なのですが、入手が難しい場合には浄水器を通した水、あるいは非加熱のミネラルウオーターをおすすめします。